7/1

今日は雨が降って涼しくて過ごしやすい。

サラリーマンは外側から見ると気持ち悪い生物に見える。中年のやつはだいたい偉そうにしよる。そのくせ自分より偉い人間には腰が低い。
社会には同期の人間の方が割合としては少なく、一緒に仕事をするのは大抵年上か年下なのだが、その先輩と後輩が一緒に話をしているのを聞くと気持ち悪くなる。「なにご機嫌伺ってんだよ、ハゲづらしやがって」と二人にチョップをくらわせたくなってくる。

そんな俺は言うまでもなく周囲から浮いた存在になっている。誰も新人である俺を気にかけてくる奴はいない。そこで考えられる理由を挙げてみる。

1.俺にかまう暇がないほど忙しい
2.俺にかまう価値がない

こいつらはもう、上ばかりしか見ていない。頭ん中が出世のことで一杯なのか。こういう競争社会の中で生き残ってきたエリート気取りの奴らは、意識していようとしていなかろうと、他人に有益な情報や経験を与えるのを避ける性質がある。俺の最も苦手な種類の人間だ。 他人に分け与えようとした者がカモられる世界だ。自分の知っていることを他人に教えるのがそんなに恐いのだろうか。お前の存在意義はそんなに安っぽいものなのか。新人に構うのは一時的な気まぐれでしかない。職場の雰囲気からしてもう、新人に構う奴=暇な奴という図式が成り立ってしまっている。会社を育てようという意識がお前らにはないのか。

部長とか偉そうな奴は、みんな髪を7・3に分けてるんだよ。課長もそれに同調しているのか、或いは自分は決してあなたの敵ではありませんと意思表明してんのか、全く同じ7・3でいやがる。そのくせ皆さんお仕事が好きでいらっしゃる様子で、8時になっても9時を回っても誰一人帰ろうとはしない。こういうのを宗教というんじゃないのかね。お前らはやく 自分が洗脳されてるって事に気づけよ。出世して金だけあったって何にもならんよ。

このまま給料上がらなくていいから定時で帰りたい。その方がずっと幸せだと思う。周りの奴らはそう思わないのかなあ。

新しいデジカメが欲しい。でも買いに行く時間がない…。


7/6

なるべく実家に帰りたくない。しかしそれでは俺宛の郵便物が溜まってしまうので、定期的に回収しに行かなければならない。そういう訳で実家に帰ってみた。

郵便物は確かに溜まっていたのだが、そのうちの幾つかが封を開けられていた。問いただしてみると、
「何が入ってるのかわからなかったから」
だそうだ。
殺すぞ。しかもこのババア、配達記録を必要とする重要な郵便は決まって封を開けてやがる。銀行のキャッシュカードを開けたのはまだ許すが、会社で作ってもらったクレジットカードにまで封を開けられていたのには少々腹が立った。こいつ、何食わぬ顔してこのカードでショッピングに繰り出してねえだろうな。とにかく、人の郵便物を勝手に開けるのは良くない。というか、これは立派な犯罪だったのではないだろうか。

自分の部屋に入ってみると、全く様相が違っていた。何もかもが綺麗さっぱりに片付けられていたのだ。俺はまたしても、怒りがこみ上げてくるのを抑えることができなかった。
人の部屋というのは、個人のプライベートな空間である。それを片付けるという名目で家宅捜索する陰湿なやり口には、非常に腹が立つ。中にはKの写真とか、昔の恥ずかしいけどまだ取ってある思い出とか、沢山そのままにしてあるのだ。おそらく全て見られているのだろう。そして、それを知りながら、知らないフリで俺に接しているのだろう。殺す。

この息の詰まるような家からとりあえず逃げ出したい。俺は自転車で散歩にでかけようと思った。愛車は錆付いていて、サドルの部分にも埃が被っていた。俺は汚れたサドルを拭いて乗ろうとした。ところが、サドルは俺の背丈よりもずっと低く設定されていた。ちくしょう、誰かサドルを動かしやがったな。
それでも俺は細かいことは気にせず、冷静を装って自転車を漕ぎ出そうとした。ところがタイヤの空気が両輪とも抜けているではないか。俺は空気入れを使い、タイヤに二つとも空気を入れてやった。そしてやっとのことで自転車を走行させたのだが。
この自転車、パンクしてやがる。しかも、両輪とも。
なぜだ、どうしてなんだ。俺の頭の中は疑問符でいっぱいになった。
片方だけパンクしているのならまだ話はわかる。しかし、なぜ両方ともパンクしているんだ? 片方パンクさせておいて、なお走り続けていたのか? しかもそいつは、両方パンクさせておいて、そのまま放置していたのか? これでは自転車があまりに可哀相だ。利用するだけ利用しておいて、用が済んだらボロ雑巾のように捨てられる。いったいどういう神経を持った人間がこのような行動を引き起こすのだろうか。わからない。俺にはわからない……。

何をしたらいいのかわからなくなり途方に暮れていると、あることを思い出した。妹がパソコンの調子が悪いとメールを送ってきていた。具体的にどのような症状なのか調べるために、とりあえずパソコンを起動してみた。すると、起動直後に変なソフトが立ち上がっていた。インターネットに接続しようとすると、なぜかダイヤルアップ画面が立ち上がった。その番号は、明らかにQ2のものであった。こいつ、エロサイトに行ってやがったな。しかも問題はそれだけではなく、何かがおかしい。HPを開いていない状態においても、右下のパソコンマークがパケットの送受信を示す点滅を繰り返していた。嫌な予感がした。こいつ、知らないうちにスパイウェアをインストールしたんじゃないのか。こいつらとは関わりたくねえ。関わっちまうと、こっちまで破滅してしまう。俺はこの家にいるべき人間ではない、そう思った。

人は結局は一人だ。一人で生きていかなくてはならない。誰も助けてはくれない。一人で生きていく術を身に付けなければならない。それができなければ、残された道は死しかない。


7/8 今日の売上:0円

日々の記録として、これからは売上を記入していこうと思う。

一日中マウスを握っていると肩がこるので、家ではマウスを左手で操作するようにしている。オナニーは右手でするようにしている。すこぶる調子がいい。

死ぬべきか、生きるべきか。彼女の浮気は、この問題を見事にえぐりだしてくれた。

社会人になってみて、本当に自分でいられるのは週末の数時間だけという事がわかった。それ以外の時間は自分ではない、金を得るために生み出された人形の型である。今はどうなってもいい。一つの経験として、サラリーマンを勤めてみようと思う。


7/9 今日の売上:0円

残業だった。といっても周りの人も皆残業をしているのだが。10時11時が当たり前の世界。月残業100時間って、簡単になるんだなあと実感。

先日、暇を見つけてデジカメを購入した。CASIO製なのにレンズはPENTAXのものである。そもそもなぜデジカメを買い換えるのかというと、今のデジカメに不満があったからだ。キヤノンのA40。買ったばかりの頃は楽しくてバシバシ撮った思い出があるが、写真の色合いにどうしても納得がいかず、撮るのをやめてしまった。AF精度にも問題があるように思える。ズームすると途端にピントを外すようになるのだ。そんなの液晶モニターで確認しろよと思われるかもしれないが、瞬間を逃さず捕らえるのにいちいちそんな確認はしていられない。ただ、シャッター速度が設定でき夜景が撮れたり絞りを指定できたりするので、その点は評価できるかもしれない。

EXILIMのZ3はCMで有名なので説明するまでもないだろうが、実際撮ってみるとこれはいいカメラだと思う。機能を重視する玄人には受けが悪いかもしれないが、細かいことは考えずにただ写真を撮りたい人にはとても向いている。オート設定でかなりの写真が撮れてしまうからだ。色具合もいいのでレタッチする必要がなく、自分の腕がいいと錯覚してしまう程である。とにかくシャッターを押すだけで写真が撮れるのは、とても気持ちがいい。

ところがこのZ3、購入して3日でおかしな現象が起きてしまった。ズームアウトする時だけ異音がするようになってしまったのだ。そこで購入店に電話で相談したところ、新品と交換してもらえることになった。地域に競争相手が多いのか、ヨ○バシの店員さんはこちらが恐縮してしまうくらい丁寧な対応を取ってくれた。Z3は不良品が多いという噂を聞いたことがあるが、まさか自分のデジカメがたった3日でこのようになるとは。Z3の3は、3日で壊れるということを意味しているのか? とにかくZ3いいカメラなので、出来れば壊れることなく末永く使っていきたい。


7/13

なにを話せばいいかわからない。

部屋から外をみると夜景が広がっていた。その夜景は東京のもので、まるで上空の飛行機からみたように、粒の一つ一つが合わさって淡い光の線や面を形成していた。本当は部屋からそんな風景が見えるなんてあり得ないけど、僕はそんな夢をみた。

旅行の帰りに飛行機の窓から見みえる地面をみると落ち着く。光をみると落ち着くのは、なぜかわからない。僕の生まれた場所と関係しているのかもしれない。
夜道を歩くのが好きだ。そこには光が溢れている。光をみると落ち着く。
都会が好きな訳ではなくて、考えてみると、自分は生まれ育った場所に帰りたいのだと思う。生まれ育った家の前で、インターフォンを鳴らしてドアを開ければ、そのまま生まれた頃の家族がいるような気がする。
生まれた所に帰りたい。

ごく当たり前のことだけど、生きていくのは苦しい。苦しみを背負ってみんな生きている。あと20年も30年も生きていくのは気が遠くなりそうだ。
やりたいことをやって生きていきたいけど、それができるのは若いうちだけだと周囲の人は言う。じゃあ40、50の人はなにをやって生きているのかと聞けば、きっと働いているのだろうという。別に、この先地獄だなんて悲観的に言っているのではない。皆がやりたいように生きられないのだとしたら、どこに生きる意味があるのか。

スーツを着て毎日同じ場所に赴くことが僕のやりたいことなのか。
この仕事をやめて、どこか他へ行ったとしても同じように疑問を感じ、苦しみながら生きていくのだろう。

苦しみながら生きていくのが宿命だとは思わない。きっとどこかに方法があるはずだ。

最近帰って3時間くらい寝て、またすぐに家を出るという生活が続いているので、日記を書く時間がとれない。時間が取れたとしても、頭が疲労でおかしくなっていて、おかしなことを書いてしまう。
そんな苦労をしてまで書かなければいいのだが、まだここ来ててくれる方がいるのを知って、気力を貰うことがある。生きていて嬉しいことなど何一つないが、たった一つ、この事だけは嬉しい。

気力が出なくて、週に2,3回していた部屋の掃除を全くしなくなってしまった。昔ほど、細かいことにこだわれなくなってしまった。だから昔より、小さな後悔をするようになってしまった。失敗を埋め合わせるのに手間と時間がかかり、物事を完璧にこなそうと思えなくなってしまった。
僕は学生の頃、一見すると完璧そうで不完全な大人達を軽蔑していた。だが、今度は自分が、本当に恥ずかしい人間になってしまった。

最近心の根底に流れている焦りの気持ちが何であるか気づかなかった。この大部分の理由は、羞恥心にあった。

昔は満たされていた。しかし今は、全てが満たされない。そこから抜け出そうとしてもがくのは決して悪いことではない。生まれる前に雛が卵から出ようともがくように、もしここから抜け出すことが出来たら、きっと目の前には、新しい世界が広がっているはずだ。


7/21

仕事なんてやめたい。でもやめられない。
生きるってことは、苦しむってことだ。

仕事から帰ってくると、書きたいことが沢山浮かんでくる。でもそれを書いていると朝になってしまう。仕事に行けなくなってしまう。だから寝る。
休日になってそれを書こうとしても忘れてしまう。平日にやりたいと思ったことは、休日になると忘れてしまう。
僕は自分が馬車馬のように思える。休みは正常な労働のためにある。

このままでいいんだろうか。同期たちのことを思い出す。僕と同じように苦しみを背負い、それでも苦労を外に出さず毎日働いている。彼らのことを思うと、自分だけ抜け出そうという気にはなれない。
「君は一生この会社で働くんだよ」とKは言った。それはKの願望も少なからずあるかもしれないが、その言葉は俺の未来を暗示しているようでもあり、選択肢は一生この会社で働くか、それとも堕落するか、どちらかしかないのかもしれない。

何でこの会社に入ったのとよく話にのぼるが、俺が望むのは平穏無事な生活だ。何も起こらない生活じゃなく、単純でシンプルな世界。
それなのに、毎日白い箱に手を突っ込み、何かを掴まさせられる。何が出てくるかは引き出してみるまでわからない。ただ共通しているのは、それがとてつもなく不自然で、複雑な形をしているものだということだ。そんなものを日々与えられても食べる気になれない。仕方なく咀嚼せずに笑顔で飲み込むだけ。小さな嘘の積み重ねが、やがて生きていく術に変化していく。

仕事がいやな人、現状に不満がある人、そんな人は世の中に数え切れない程いるんだろう。それを自分だけが苦労しているなんて思っちゃいない。自分だけが特別なんて思っちゃいない。
人の気持ちがわからない。互いの距離が約1メートルから0センチに縮んだとしても、心の中までは覗けない。同棲や結婚している人だって、一人でいる時間が欲しくてオナニーしているらしい。人はどこまで行ったって一人じゃないか。

3連休だったというのに、食事してオナニーして音楽聞いて寝て、それだけで終わってしまった。とても悔しい。
男、少なくとも俺の根底にあるのは、この世の女性とセックスがしたい、という衝動ではないだろうか。全てはそれに集約され、全ての行動の目的はそこに辿り着く。
第三者からするとバカに見えるが、馬の目の前に人参をぶらさげると非常によく走るのと同じで、俺も心の中ではいつでも走っている。普段は生きていくために自分を偽っているだけで。セクハラは良くないとか主張していたり。

最近気持ちに妙なブレがあって、それは浮気のショックからまだ抜けきれていないせいもあると思う。唯川恵の本を買おうとしてしまったくらいだ。
それでも今、Kとキスがしたい。他のことはどうなってもいいから今、Kとキスがしたい。


7/22

いつものように終電間際の電車に乗る。
誰も部屋に出迎えてくれる者はいない。畳の香りがした。
1時間かけて動画をダウンロードリストに入れる。それだけで満足して、することもせずぼーっとする。

メールの返事がないのが辛いとKは言った。今日も帰れないとか、もう寝るとか、それでいいから返信してと言う。
疲れたとか今日はこんなことがあったとか、たまには日記にそんなことを書いてみたい。嬉しかったこと、傷ついたこと、好きな音楽のこと。

今の自分に何になれるかを考えていた。何もかも駄目で、朝になっていた。

自分が何でもないなんて、だいたいそんなもんさ。
みんな同じさ。
みんなと同じように、だいたいそんなもんさ。
みんなと同じ服を着、同じ愚痴をこぼし、同様に人を疑い、同じ涙を流し、一人で死んでいくのさ。
みんな同じさ。

くだらないと感じていた日々が、いつか大切な思い出になればいい。
今ついてる全ての嘘が、報われればいい。

試しにmsn.co.jpで「落胆」と入れ検索すると、ここが一番目に表示された。ロボットは一体どのような計算をしているのだろう。
毎日落ち込むことばかりだ。僕に出来ることは所詮、この場所でとりとめもないことをつらつらと書き綴っているだけ。
道路工事の警備員の制服を着て思った。道行く人、誰も気にかけてくれやしない。僕は、道端の石ころ程度にしか思われていないのだと。
僕は僕だ。背広とネクタイだけは勘弁してくれ。