10/16
久しぶりの更新。よく考えてみたら、8月9月と10月の今まで全然更新してないじゃん。なぜか?
いろいろバイト等で忙しかったのだろう。よく思い出せないが。とりあえずしばらく更新しないうちに自分が日記をつけている事すら忘れてしまっていた。むろん、このHPの存在すら、俺の頭の中からは消え去っていた。
ならば、なぜ突然俺はこのHPの存在を思い出したのか。
正直、俺は恥ずかしさのあまり体が震えている。
痛い。このHPは余りに痛い。自己の恥部を如実に書くという事がここまで痛いとは思わなかった。さっき過去の日記を読み返してみたのだが、この日記の存在を忘れ客観的な読者としての判断が出来るようになった今、あまりにこの日記は痛い。俺という人間が痛い。
確か、この日記はどこにもリンクなどはっていなかったはずだ。グーグルで自動検索されたのだろうか。
当初は誰も読まないだろうと、たかをくくって日常を赤裸々に書き連ねていた。遊び心でカウンターを付けてみたものの、もちろん自分しかカウントしなかったから、30くらいだった。
それが今日来てみたら240になっていた。誰も来ないはずなのに。あり得ねえ。何かが起こっていた。
誰からも相手にされず作者にすら忘れ去られてしまったHPを襲った出来事。そしてなぜ俺がHPの存在を思い出すに至ったか。これからそれを書き記していこうと思う。
今日未明(正確には2:58分頃)、俺は2chを見ていた。
以前から2chは俺のネットサーフィン巡回コースであり、お気に入りにも登録してある。書き込みもそれなりに行い、ヴァカな奴の煽り方も段々に心得て来たつもりだった。
はじめニュー速+で今日の出来事をおさらいし、めがね板ではむかつく奴を煽り、デジカメ板では他の人の作品を見て感心していた。デジカメ板に行ったのは、最近俺がデジカメを購入し、自分の関心事はカメラよりデジカメにあったためである。そして、やっぱりカメラはいいな〜♪なんて思いつつ、久しぶりにカメラ板へ行った。そこで前から見ていた「R10スレ」を覗いてみた。するとこんな書き込みがあった。
791 :某HPより抜粋 :02/10/07 12:26 ID:Rg6tkK80
もう一つ、R10の評価について考えてみる。792 :名無しさん脚 :02/10/07 12:40 ID:RNq12S2r
>>791791、792の書き込みの流れで、俺は792に激しく同意していた。誰だか知らないけど、791はR10を全く分かってないヴァカだな、と思った。
793 :名無しさん脚 :02/10/07 13:07 ID:OBJaxR+H
>>791はその某HPの内容に同意しているのか、794 :名無しさん脚 :02/10/07 13:30 ID:RNq12S2r
>793ここで、この文章はどこかのHPの抜粋だという事がわかった。世の中には救いようのないアフォがいるもんだと思った。ところが、である。
796 :名無しさん脚 :02/10/07 17:40 ID:EyEf3/zq
http://nochoice.port5.com/この瞬間、俺の頭の中で何かが弾けた。と同時に、血が集結してみるみるうちに自分の顔が赤くなっていくのがわかった。
こ、これって、俺のサイトじゃん。
あーどうしよう、あーどうしよう、いてー、すげー痛ぇー、何してんだよ俺は。日本中の晒しもんだよ。困った。とりあえず、誤解を解かないと。誤解っていうか、俺が痛いという事実は覆しようがないんだけど、何かを言わないと絶対気がすまないんだ。一生恥さらし者で終わるのはイヤだー。
という訳で、これより少しばかりの言い訳を書きます。
802 :名無しさん脚 :02/10/08 11:28 ID:nQ7etrln
>>796あー、痛いよ。俺は痛いよ。わかってるよ、俺は痛いよ。ついでに、前から気になってたんだけど、「香具師」ってなんて読むのか教えてくれよ、マジわかんねえんだよ、この痛い俺に、ツバを吐きかけるように教えてくれよ。
803 :名無しさん脚 :02/10/08 12:11 ID:V/Vlqj0P
7/4の冒頭2行で全てが分かる。(w7/4の冒頭2行ってこのことかい。
本当は学校に行く予定だったものの、面倒くさくてやめてしまった。もうすぐ試験期間のはず…考えないようにしよう。この時期に逃避癖がひょっこり顔を出して現れるのは累計すると10年以上変わっていない。
うーむ。言い返す訳じゃないんだけど、この2行を引用するのはどうかと思うよ。あまり俺の痛さが伝わって来ないと思う。あ、自分の痛さに気づいてない時点で痛いね俺。でも、ちっとも面白くないのに最後に “(w” って書くお前も少し痛いと思うぞ。友達いなくて寂しい人間が必死に同意を求めてるように見えてしまう。俺の方がもっと痛いけどさ。
それで、ここからが本題になるわけだけど、俺がR10についてどう思っているのかを書く。
と思ったんだけど、また煽られるのが目に見えてるんだよなあ。まあいいけど。
正直、買った当初はあまり写りがよくないと思ったのは事実。まあ俺が使い捨て以外で買った初めてのカメラだから、どうしても初心者ぽい意見になってしまうのは仕方ないんだけど。で、なぜ写りがよくないと感じたかというと、現像に出すところがいけなかったのね。大分後になってから気づいたんだけどさ。彼女の使い捨てカメラの写真と比較して、俺のR10で撮ったのよりキレイなんだもん。でもそれは、出すところがいけなかったんだ。彼女はちゃんとしたラボで出してるのに対し、俺は0円プリントだったから。
で、R10ってこの程度なんだ、じゃ一眼買うかってことで一眼を買ったのね。でも一眼で撮った写真もしょぼかった。そこで何か変だぞってことに気づいてきて、現像に出す所を変えてみたら、「なんだ、ちゃんと写ってるじゃん」ということになった。
R10はすごく写りがいいカメラだと思うよ。そりゃ、たまに著しくピントを外してきたり、露出間違ってきたりするけど、条件さえ良ければとんでもなくいい写真が撮れる。しかも、たったの9800円で買えてしまうという安さ。そして何より、コンパクトであるという長所もある。一眼買って思ったのは、持ち運びが不便であること。一眼レフが落としたら壊れそうで、鞄に入れるとかさばるし重たくなるのに比べて、R10は本当にどこにでも携帯が出来てばしばし撮れるという手軽さがある。
R10はオモチャだって言う人もいるかもしれないけど、写真なんてそもそもオモチャと言ってもいいと思うのね。色々撮ったり設定を変えてみたりしていじって楽しむんだからさ、オモチャ的な要素を充分に備えてると思うのよ。そういう意味でも、R10はすごくいいカメラだ。買って後悔なんてしていないし、一眼買ったら使わなくなると思ったけど、全くそんな事はなかった。むしろR10の良さを再確認したって感じで、他にデジカメも持ってるけれども、R10はその中でも重要な地位を占めているといっていい。今ではこのR10にものすごく愛情を持ってるし、初心者にも躊躇なく勧められる。
それにしても、ネットって誰が見てるのか分からないね。あんな文章掲示板にコピペしなくたっていいのにさ。あれを見たら誰だって、それは違うだろーって思うし、何よりあの製品を作ってくれたリコーの人に失礼だよ。だから少なくとも、あの時は確かにそう思ったけど、今ではR10は俺の宝物なんだってことを言いたかった。この日記を続けるかどうかはわからないけど、それだけは言いたくて更新したよ。パスワードがまだ残っててよかった。
10/18
更新する気などなかった。書きたいことなんて何もないし、その気力もない。自分の文章なんてくそで、ネットという広大な宇宙にゴミをばら撒くだけの、モラルの欠片もない行為であると。そう思っていた。
ところが今日、改めて過去の日記を読んでみて新たな発見があった。2,3ヶ月前の自分は今の自分とちっとも変わってない事とか、ごくたまに格好いいことを書いている事とか、意外と読んでて面白い事とか。余りのくだらなさに途中で何度かぷっと噴き出してしまったためか、夕方、台所で妹が、「お兄ちゃんパソコンの前に座って笑ってて、気持ち悪い」と小さな声で母とやり取りしているのが聞こえてしまった事とか。
本当に更新する気などなかったのだ。タイトルをご覧の通り、この日記は誰か他の人が見るということを想定せずに、作者のただの自己満足という考えのもと作られた日記である。だからこそ、初めてオナニーした時の記憶や、日常の不安、彼女との関係など、ありのままの本心を脚色する事なく書くことが出来た。日記を続けて来た理由も、誰でも読むことが可能なインターネットという空間に自分の真実の姿をアップロードし、それでいて誰もそれに気づいてないぜという、奇妙な悦びから来るものだった。もしそれを一言でいうなら、露出狂、ではなく、自己満足という言葉が当てはまるだろう。
誰かにそっと読んで欲しいけど、本当は読まれるのは恐い。そんな矛盾した気持ちが俺にはあった。だから冒頭にこの日記が自己満足のために存在しているという事をわざわざ宣言しなければならなかった。そうすることで、自分の中の危ういバランスをなんとか保ち、納得させようとしていた。
結局、書きたくなったから書く。それだけのことだ。なぜ書きたくなったのか? おそらく、過去の自分があまりに滑稽だったためだ。
ネットを徘徊する方々の中にもやさしい人がいることを知った。今まで香具師を何と読むのかわからなかったが、これでようやく意味を掴むことができたし、俺があのスレに書き込んだ直後、「>>822もう来るな」という書き込みがあると予想し、「もう来ねえよ!」とモナーが帰っていくAAの準備さえしていたのだが、意外にも822の書き込みは好意的に受け取られたようだ。
誰かに見られているかもしれないというプレッシャーに身を置いてみるのもいいかもしれない。その方がきっと現実的だ。
10/19
吐き気がする程平凡な日常と吐き気がする程特徴のない自分を、何かが変えてくれると思っていた。
ある日、「あなたは選ばれました」という内容の手紙が来るのを待っていた。
それは今日かもしれない、明日かもしれない、いや、あさってかもしれないと心待ちにしていた。
だが、いくら待ってたところで何も来やしなかった。いつかなんて一生来ない。
誰かが来るを待っていたところで、誰も俺に何かをしちゃくれない。
自分以外、誰も自分を守っちゃくれない。俺は彼女を守らなきゃいけない。
誰だよ、俺の携帯番号を勝手に登録しやがったのは。夜中でもメールが着信しまくるし、毎日非通知の電話が朝と夕方にかかって来やがる。
「品川に住んでる〜といいます。声かわいいですね。友達になってください」
「エッチメールしませんか? 番号は090-XXXX-XXXXです」
みたいなメールが何十件も連続で送られてくる。どう考えてもおかしいので、どこに登録されていたのかを聞くために返信すると、プチ友募集ダイヤルに登録されていることがわかった。実際に教えられた番号#9966に電話してみると、友達がいなくて寂しい人間からのメッセージが200件近く録音されており、その中に確かに女の声で、「夜眠れなくて寂しいのでメールください。番号は090-XXXX-XXXXです」と登録されていた。
それって、俺の番号じゃねえか。
何か恨みでもあるのだろうか。全然知らない女の声だった。その声の外で微かに誰かが話をしているのが聞き取れたが、何を喋っているのかまではわからない。女がいたずら目的で登録したにしろ、間違えて誤った携帯番号を登録してしまったにしろ、俺には自衛手段がない。防ぎようがない。確かなのは、この日を境に男からのメールが山のように送られてくるようになったという事実だけだ。
これなら誰かに嫌がらせをするのは簡単だ。どこかの掲示板に本人を装って猥褻な記事と携帯番号を書き込めばいいだけである。
掲示板に友達募集の書き込みをすれば、30過ぎの女性でも100件近い男性からのメールを即座に受け取ることが出来ると聞いたことがある。
男は複数の女にコピペメールを送るだけでいいし、女はその100件のメールの中から自分の条件に合った男を抽出すればいい。
俺は昔から女が好きだった。小学校の頃、好んで女子とばかり喋っていた。だから男子からはバカにされていた。「あいつ、女としゃべってるよ」そう陰で言われるような雰囲気漂う学校だった。
ところが20代にさしかかると、男はみんな女を求めるようになっていった。そういう奴を、俺は心の中で「あいつ女とばかり喋りやがって」と呟いている。子供の頃とは立場が逆転してしまった。
俺は何も変わっちゃいない。周りが変わったのだ。
俺は子供の頃、バカな想像をしていた。部屋に俺のことがどうしようもなく好きで一緒に寝たがってる女がいて、部屋の外には同じく俺と寝たがってる女が行列をつくっている。行列はどこまでもどこまでも続き、当時俺は14階建ての住宅に住んでいたのだが、ベランダの外から数珠のように繋がった女が俺の部屋に入ろうとしていた。それは、蜘蛛の糸に必死にしがみつく俺の女の群れのようだった。
大人になった今になっても、誰とでもいいからセックスがしたいという強い欲求が俺の頭をかすめる。顔も名前も知らない女性とのセックスに憧れて、ツーショットチャットにはまった時期もある。しかし俺の欲求をかなえてくれる女性は誰一人としていなかった。メールを交わす相手はいるにはいるが、お互いの顔も知らないのに内容は性に関することばかりで、いつか「今度会ってしませんか」というメールが来るのを期待してつい返信をしてしまうが、その気配は一向に訪れない。所詮、俺は彼女らの好奇心を満たすロボットに過ぎないのだ。
「私とメル友になってください」「初体験はいつですか?」「濡れてきちゃった」「そこ感じるの」「また話そうね。おやすみ☆」
俺は単純にセックスがしたいだけなのに。メールを送るのをちょっとでも怠ろうものなら、「寂しい」とかいうメールが送られてくる。いい加減面倒になってくるが、女はセックスという生得的な餌をちらつかせて連絡をよこしてくるので、俺は見事にその術中にはまってしまい、いいように利用されてしまう。
待ってたところで何も来やしない。何もせずに言いよって来るのは、自分の欲望を満たすために相手を利用する奴だけだ。
相手を利用するか、それとも切り離すのか。自らのヴィジョンをはっきりさせなければならない。選択肢は二つだけなのだから。
10/20
金曜日の終電はほろ酔い気分のサラリーマンでごった返しているけど、日曜日の最終電車は乗客もまばらで寂しいものがある。今日は気分的に寂しい日だった。
いつもおいしい酒が飲めるとは限らない。飲み屋のトイレで、「俺なんて、俺なんて…」と嗚咽混じりに泣きながら嘔吐している男がいた。俺はその男に心から同情していた。一杯泣けばいいさ、そしてまた一歩踏み出せばいい。そう声をかけてやりたかった。
大学に入学すると同時に酒を飲むことになったが、幼い頃抱いていた甘美なイメージとは裏腹に、酒の味をおいしいと感じることはなかった。しかし、飲み会の席で普段臆して言葉を交わせなかった人とのコミュニケーションが取れるようになるのは嬉しかった。
酒好きの連中と毎日飲みに行くという事はなかった。何かの打ち上げとか、友人が彼女にふられたとか、そういうイベントがある場合に参加するようにしていた。毎日酒を飲むことに対する罪悪感や自制心といったものが俺を抑えていた。自分の体のことも心配だった。何より、酒を飲むと頭が悪くなるような気がしていた事が大きかった。しかし今になって、大学や社会の中で頭を使う場面などそうあるものではない事に気づいた。日常生活なんてだいたい同じことの繰り返しで、それでなんとかなってしまうのだと思った。馬鹿になろうが頭脳明晰になろうが、それは生きていく上で大した問題ではないという気がしてきた。毎日楽しければそれでいい。それが全てだと思った。で何か本気になれるものが欲しくて、バイトをしてみたり、バイトで得た金で様々なものを購入してみるが、いくら投資してみても、本気で打ち込めるようなものは何も見つからない。
学園祭シーズンである。今月は飲み会に参加する日が多い。そこには女の子に話し掛けられずに、男の後輩ばかりと話している俺がいる。女子の方にちらと目をやり、近づいていく男を蔑んでいる俺がいる。俺はひたすら、女の子がこちらにやって来るのを待っている。まだか。まだなのか。
誰にも話し掛けられずに飲み会が終了すると、激しくブルーになる。満足げな顔をしながら、「俺なんて、どうせ俺なんて…」と心では泣いていたりする。帰りに新宿駅改札の雑踏を目の当たりにして、自分がこの群集の一人に過ぎないという現実に愕然とする。
人に話し掛けられるのは相手の性別関係なく、ものすごく嬉しい。そして褒められるのは死ぬ程嬉しい。女の子に「〜さんってカッコいいですね」とか言われると、限りなく嬉しい。その瞬間、冷めた表情で「そうかな…」と言いながらも、俺の脳内では既に神経細胞総動員による歓喜の祭りが始まっている。それだけではなく、その記憶はいつでも取り出せるようにマイドキュメントフォルダにコピーされ、最低3週間は保持されるだろう。しかしそれは1ヶ月くらい経過すると、あれはお世辞さ、うわべさ、社交辞令だったのさ、と気づくようになり、再生しても辛いだけの記憶と化してごみ箱に葬られる運命を辿る。
ともあれ、人に褒められるという出来事が、俺にとってものすごく嬉しいということに変わりはない。褒められると、もっと褒めて欲しくてやる気が上昇するし、逆に褒められないといじけてやる気が低下してしまう。単純な理屈だ。今日は誰からも話し掛けられなかったから落ち込んでいるという、ただそれだけの事だ。俺は誰かに自分のことを認めて欲しい。
いや、一人だけ俺の事を認めてくれる人がいた。Kである。Kは俺のいい面も悪い面も知っていて、それでも俺の事が好きだと言ってくれた唯一の人だ。
俺は何人かの女性とチャットセックスをし、何人かの女性とメールのやり取りをした。この先、実際会う可能性もゼロじゃない。しかし、既に判明した事実がある。もし俺がいつか風俗に通うようになったり、やがてSFを持つようになったとしても、一番大事なのはKであるということだ。理由は上手く言えないけれど、Kが今俺と一番深く繋がっている人間だからだ。Kが言うように、俺はKより相手への気持ちが少ないかもしれない。でも俺はKのいい部分も悪い部分も知って、それでも好きと感じられるようになっていきたいと思う。
俺は率先して外に出るタイプの人間ではない。どちらかというとインドアを好み、理由がない限り外に出たいと思わない。しかし自分を冷静に見つめ直してみると、俺は元々外に出るのが嫌いではない。むしろ新しい所に行ったりするのは好きだ。でも、外に出て傷つくのが嫌なのだ。
俺は人に話し掛けるタイプの人間ではない。それは、人から嫌がられているという現実を見せつけられるのがたまらなく恐いからだ。
俺は初対面の女性とのセックスに憧れる。それは、自分の抱いた幻想を冷たい現実によって壊されたくないからだ。
「どうして写真を撮るのが好きになったの?」とKが聞く。俺が写真に対する思いをいくら説明しても分かってくれない。
「それは写真の魅力について語ってるだけだよ。どうして急に写真を撮るようになったのかを知りたいの」と彼女は言う。
そういえばそうだ。俺は昔は写真が嫌いな人間だった。写真なんて、女子が使い捨てのカメラで遊びながら撮っていて、まったくどこが楽しいのかというイメージを持っていたし、一眼レフを首から下げている人間を街で見かけても、写真が趣味の人程度にしか感じなかった。昔貰った記念写真なんて二度と見る事はなかったし、人から写真を見せられても全く興味を示さなかったのだ。
ところが今はどうだろう。俺はいつもカメラを持ち歩いているし、ことあるごとに写真を撮る。そして出来上がった写真を眺めながら、やっぱ写真はいいなと一人で感慨に耽っている。
俺がなぜ写真を撮るようになったのか、答はここにあると思う。俺は写真を通して、つまらない現実などではなく、不安のない自分だけの世界を写し撮りたかったのだ。
俺は夢をみた。現実にはあり得ないような見たこともない建造物の中にいた。俺はこの建造物をなんとか現実に持ち帰ろうと考えた。そこでひらめいた。そうだ、スケッチすればいいんだ。俺は画用紙と鉛筆を手に取り、その建造物を描きはじめた。
途中で目が覚めた。現実の俺はただベッドに横たわっているだけで、紙も鉛筆も持っていなかった。残念なことをしたと思った。
10/21
雨が降っていたのでどこにも外出しなかった。
夜に由佳とチャットをした。由佳のことは前にも書いたかもしれないが、チャットで知り合った年上の女性である。これまでは、もしかしたらやらせてくれるかも知れないという邪な心でメールを送信し、物事にはそう簡単には行かないと悟りメールを送るのを止めていた。そこで寂しいだの冷たいだのとメールをよこしてくるのでうんざりしていた所である。ところが今日になってまた、「今晩は話せるけど、っていうか、話したいよ・・・会えるかな?お返事待ってます」というメールが来ていた。ここで彼女の言う「会う」というのは、決して実際会うという事ではなく、ネットでチャットをするという意味を表している所がポイントである。が、今日もメールに惑わされてついチャットをしてしまった俺。
今日こそは彼女の本心を聞き出して、物事の白黒をはっきりさせなければならなかった。そうでないとまた彼女のペースにはまって利用されてしまう。しかし彼女は彼女で話を上手くかわしてくる。飲みに行こうよとこちらが誘っても、「お酒を飲むとすぐに眠たくなっちゃうから」と言って断られる。それなら食事だけと言っても、「食事すると眠くなるから」と言って断る。(そんな断り方ってありか?)
話が核心に触れると彼女は別の話へ持って行こうとする。数度のチャットでその手の内はだいたい見えてきたから、今日ばかりは喰らいついて離すつもりはなかった。そして2時間ばかり話してみて、ようやく彼女の真意が掴めてきた。
彼女は寂しがり屋なのだ。不規則な生活を送っているから、なかなか彼氏と会うこともできない。そこに俺という寂しさを紛らわすのに都合のいい人物が現れた。しかし俺と会えば彼氏との関係を保てなくなるし、互いの顔を知ってしまったら今の俺との関係すら崩れる可能性がある。だから、彼女にとっては今の状況を続けることが一番の得策だ。俺がいくら会いたいと言っても曖昧な返事をして誤魔化しておけばそれで済む。
俺に勝算がないわけではない。会いたいと言い続けさえすれば、彼女だって何らかの返答を出さなければならない。もし彼女がそこでNoの答を出せば、今の俺との関係は保てなくなるだろうし、それは彼女にとっても痛手となるはずである。つまり、彼女の寂しがり屋な性格につけこめばいいのだ。
ここまで書くと俺がものすごい性格の悪い残忍で冷酷な人間に思われるかもしれないが、これはあくまで今日までの結果を振り返って分析しただけだ。彼女だって俺を利用するつもりで利用しているわけではない。ただ寂しくて俺にメールを送信しているだけであって、決して騙そうとか、ひっかけてやろうという考えを持っているのではない。俺だって、最初から彼女につけこもうと思って「会おう」と言っているのではない。会いたいから会おうと言っているだけだ。ただそれが結果的に彼女の性格につけこむ形になっている。人はコミュニケーションの名の下に行われる欲求のせめぎ合いの中で、無意識のうちに自己の欲求を満たす術を身に付けていく生物だと思う。それは残酷でも美しくもない。きれいな愛は映画やドラマの中だけにあって、本当の愛にきれいも汚いもないのだろう。それを蔑んでみたって仕方ない。
そもそもセックスをするのにここまで悩まなければならない事自体ナンセンスである。とにかくセックスがしたくて仕方がないという女がいれば、思い切り突っ込んでやって二人で満足してればいい。どこにもマイナスはないのだから。俺だってわざわざ彼氏のいる女性のもとへ行って、二人の関係に水をさすような面倒は起こしたくない。
俺はセックスがしたくて仕方がない。だが、パートナーに恵まれずにいる。
10/22
最近、というかいつものことだが、昼夜が逆転した生活になっている。昨日寝たのは朝の7時で今日の午後3時に起きて、今は朝の6時だ。
勉強すると、自分がもっと勉強しなければならないという気になる。余計わからないことも増えてくるし、これなら馬鹿でいた方がよっぽど楽だ。
もう寝よう。